WTI上昇、米国とイランの緊張激化

米国産原油の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、月曜日のアジア時間において一時的に高値からやや下落したものの、引き続き大幅な上昇を維持している。これは、米国とイランの地政学的緊張が再び高まっていることを受け、戦略的要衝であるホルムズ海峡での供給混乱リスクが意識されているためだ。

週末にかけて発生した衝突により、原油市場は大きく反応した。商業船への攻撃報道が相次ぎ、脆弱な停戦合意の崩壊懸念が強まり、原油価格を押し上げた。5月限のWTI先物は約6%上昇し、1バレルあたり88.93ドル付近に達し、6月限のブレント原油も約5.6%上昇して95.48ドルとなった。

情勢は、複数の軍事・海上インシデントにより一段と悪化した。米海軍はオマーン湾でイランのコンテナ船に対処し、その後同船を掌握したと報じられている。これに先立ち、ホルムズ海峡を航行していたタンカーがイラン革命防衛隊による攻撃を受けたとされ、海上安全当局の情報として伝えられている。

さらに不透明感を強めているのが、米国のドナルド・トランプ大統領による強硬な発言だ。イランが新たな条件を受け入れない場合、厳しい報復措置を取ると警告している。両国間の停戦合意は今週期限を迎える予定であり、最近の行動はすでに違反と見なされている。

外交面でも不確実性が続いている。当初はイスラマバードで新たな和平協議が予定されていたが、イランは米国の海上封鎖などを理由に参加を拒否したと報じられている。

今回の緊張激化は、先週末に一時的に見られた楽観ムードの後に起きたものだ。当時、双方は合意に近づいているとみられ、イランがホルムズ海峡の再開を示唆したことで原油価格は一時下落した。しかし、その後すぐに条件の対立や制限が再び浮上し、状況は再び不安定化した。

双方とも譲歩の姿勢を見せておらず、海峡の状況も依然不透明なままであるため、原油市場は当面、地政学リスクと供給見通しに左右される不安定な展開が続くとみられる。