関税、ECOFIN、ダボス会議、マクロ経済指標を背景としたEUR/USD見通し

グリーンランド問題を契機としたNATO内部の同盟国間対立に、一定の警戒感をもって世界の注目が集まる中、市場は大西洋を挟む同盟諸国間での相互関税措置の可能性がもたらす影響を見極めようとしている。一方で、今週はそのほかにも複数の重要なイベントや会合が予定されている。

まず、本稿では後段でEUR/USDの動向を取り上げるため、ユーログループ会合が昨日からブリュッセルで開催されており、本日はECOFIN(経済・財務相理事会)の枠組みで各国財務相が集まる予定である。加えて、周知のとおり今週はスイス・ダボスで世界経済フォーラム(WEF)が開催され、世界の主要な政治・経済の意思決定者が一堂に会する年次イベントとなっている。

こうした環境下、今後数日にわたり複数のECB関係者が公の場で発言する見通しであり、特にラガルド総裁は明日、スイスから2度にわたり発言する予定である。ナーゲル、エスクリバ、ビルロワをはじめとする主要な中銀高官が、ユーロ圏経済に対する評価や今後の政策の方向性について見解を示すとみられる。同時に、注視すべきマクロ経済指標の発表も相次ぎ、欧州の景況感・消費者信頼感指数、米連邦準備制度が重視するインフレ指標であるPCE、さらには大西洋両岸でのPMI発表が予定されている。

これらのイベントは、国債市場における緩やかな分化が進む局面で発生している。ドイツ国債(ブント、ボブリ、シャッツ)は約3週間にわたりプラス圏で推移している一方、米国債は概ね横ばいで、昨日は目立った売りが見られた。さらに重要な点として、日本の金利は急上昇しており、超長期ゾーンでは40年物国債利回りが4%を上回ったほか、昨日のコメントでも触れたとおり、10年物国債利回りは約30年ぶりの高水準に達している。

テクニカル分析

まずは過去10年を対象とした超長期的な視点から分析を行う。金融商品は、より細かな時間軸に入る前に、歴史的な位置付けを把握するため、広い時間枠で評価すべきであるとの考えに基づくものである。週足チャートを見ると、過去6か月間にEUR/USDが推移してきた水準の重要性が明確に確認できる。下値では1.1420付近、上値では1.1750付近が、2015年、2017〜18年、そして2020〜21年といった局面で、強固なサポートおよびレジスタンスとして機能してきた。したがって、昨年前半の上昇局面の後、同通貨ペアがこの広いレンジ内で調整・もみ合いを続けていることは自然な流れといえる。

もっとも、このレンジ内では、安値を切り上げる構造が形成されつつあり、昨日の1.1575付近からの再上昇によってその動きが強まっている。8月の安値である1.14は再試されていないが、10月から11月にかけては1.1475〜1.15のゾーンまで下落し、今週の直近の調整局面も、まさにこの水準で下げ止まった。一方、8月の高値終値である1.1870も再び試されておらず、直近では12月23日に1.1795付近で引けている。これら2本の比較的緩やかなトレンドラインが、今後数日における主要な判断基準となり、これまでと同様、明確かつ確認されたブレイクがなければ、トレンドの拡大を想定することはない。

また、本日は価格が50日移動平均線を上抜け、現在は1.17付近の21日移動平均線を試している点にも留意したい。この水準は当面の初期レジスタンスとなる可能性が高く、明確に上抜けた場合には、1.1720、続いて1.1745が次のターゲットとして意識される。一方、下値では、今朝すでに割り込んだ1.1650が引き続き重要な基準水準となる。MACDはマイナスに転じており、同時に、リスクオフ局面が持続する場合には、安全資産としての性格から米ドルへの資金流入が続きやすい点も、同等、あるいはそれ以上に重要な要素である。

総括すると、現時点では価格動向はレンジ相場にとどまっており、今後数日にわたり、EUR/USDは1.1575と1.1785の範囲内で推移する可能性が高いと見ている。